story
「おはよう、ビィ」 「おはよう、セシル」 セシルはいつもと変わらぬ挨拶にいつもと変わらぬ笑顔を向けてきた…。私も笑顔を返すつもりだったのだが…… ほら…ダメだ。アタシはまだ混乱している。 「どうした、ビィ?」 「まだ…慣れない。二つの意識が、ごっちゃごちゃになってる。…どっちがアタシなんだか不安になる」 「アタシって言ってる時点で、お前はビィだよ」 「…でも、気を抜くとまたあいつの方が上回りそうだ」 おそらく、この不安は永遠に拭う事は出来ないのだろう。アタシがビィである限り…アタシがフレイアである限り…。 「受け入れちまえばいいんじゃねぇか?」 「…受け入れる?」 「だから。私がって言えばフレイアとか…アタシがって言えばビィとか。そうじゃなくてさ。その二つともビィなんだって。 そうだよ、ビィ。お前、名前変えてみないか?」 「は?」 「ビィ・フレイア。なんて、どうだ?これなら、自然に両方がお前になると思うんだが」 「…セシル」 「…軽率だったな。わりぃ」 「いや…ありがとう」 アタシは、セシルの胸に…頭を預けた。ポフッと…優しく。 「おっ…?」 「ありがとう…セシル」 「…どういたしまして」 セシルは、笑っている気がした。